「長距離→短距離」より「短距離→長距離」の選手が多いようだが
マラソンランナーを見ていると、世界トップクラスの選手の多くが5000mや10000mといったトラック競技出身のようです。
傾向として、若いうちはトラック競技で勝負して、年齢が上がるとともにマラソンに転向・専念するっていう感じで。
トライアスロンでもオリンピック・ディスタンス(スイム1.5km、バイク40km、ラン10km)出身の選手がアイアンマンのようなロング・ディスタンス競技で活躍しています。
そんな傾向を見ていると、やっぱり「短距離から始めて長距離へ移行」というのが王道なんだろうなぁと感じます。
マラソンもトライアスロンも
マラソンだと、”皇帝”ハイレ・ゲブレセラシエあたりから(もっと前から?)トラック競技から転向した選手が世界トップになっている印象です。
現世界記録保持者のデニス・キメットはよく分からないけれど(苦笑)、ついこないだ「Breaking 2」に挑戦したエリウド・キプチョゲは5000m走の五輪メダリストだし、パトリック・マカウもトラック競技出身。2時間3分台を3度記録しているウィルソン・キプサングもトラック競技からの転向。それに、個人的に注目しているケネニサ・ベケレもかつては5000m、10000mで圧倒的な強さを誇っていた選手です。
逆のケース、知らないです(自分が知らないだけかも…(^^;))。
冷静に考えてみて、若い時にいきなり「俺はマラソンで勝負する!そんでいずれは短い距離に転向する」って考える人はほとんどいないのでしょうけれど(笑)。
トライアスロンも同じです。
アイアンマン世界選手権連覇中のヤン・フロデノは北京五輪の金メダリストだし、トップ選手の多くがオリンピック・ディスタンスからアイアンマンへ転向しています。
つい最近、本格的な転向ではないものの、アリスター・ブラウンリーというオリンピック・ディスタンスのビッグネームがアイアンマン70.3のレースに初参加して、いきなりコースレコードで優勝しているし(汗)、ハビエル・ゴメスもちょいちょいアイアンマン70.3のレースに出て(優勝を含む)上位にいるところを見ていると、
「いずれはアイアンマンに転向するかもなぁ」
「そうなったら、それはそれで凄そうだなぁ」
と思います。
「短距離→長距離」が王道な理由を考えてみた
なぜ「短距離→長距離」が王道なのか考えてみると、若い時の方が瞬発力がいいから、というシンプルな理由が真っ先に思い浮かびます。
歳をとってから瞬発力(スピード)を強化するよりも若いうちはスピードを強化して、徐々に持久力を高めていく方が効率的なのだろうと。
そのまんまなのですが(苦笑)。
他にも、
・年齢とともにメンタルが強くなり、長距離レースのような心理的駆け引きの勝負にも強くなる
・年齢とともに力の出し方が効率化できるようになり、比較的低燃費で長距離を走れるようになる
とか考えられます。
逆の方が良い理由は、すぐには思いつきません……
難しい道?
そんなことを考えると、ふと疑問が浮かびます。
「学生時代に箱根駅伝に向けて頑張って、社会人になってから10000m走で勝負っていうのは、難しいことなんじゃないか?」と。
箱根駅伝は、1区間が20km前後。ハーフマラソンに近い距離です。
上記のように考えると、社会人になってマラソンはありうるかと思います。
他方、「大学卒業後に10000mで勝負」っていうのは、どちらかというと「長距離→短距離」かなぁと。
「あくまで5000m、10000mが主戦場で、箱根駅伝はおまけのイベント」というスタンスを貫いているなら、大学卒業後もトラック競技で勝負すればいいでしょうけど、そんな学生は希少でしょう(笑)。
ほとんどの学生は箱根駅伝を目指して日々鍛錬しているはず。
「箱根駅伝を走る学生は、すぐにマラソンへ転向・専念してね」っていうのも体力的にも環境的にも容易ではないでしょうし。
ということで完全な素人考えですが(苦笑)、日本の長距離陸上競技を再び世界レベルに引き上げるためには、「ハーフマラソン(若しくは20000m走)」という競技を世界的に確立させて、箱根駅伝ランナーの新しい選択肢にしてもいいんじゃないかなぁ、と思いました。
そこからマラソンへシフトするのはアリだし。
それか、箱根駅伝の区間を全部10km前後にしちゃう、なんて。
まあ、ハーフマラソンでも20000m走でもケニア・エチオピア勢の強さはハンパじゃないでしょうけど(苦笑)
書いた人
-
スポーツを見るのも好きなトレーニングジャンキー。サブ3.5を目指す(あと2分ちょっと…)自称中級市民ランナー。
見る方では、海外サッカー、マラソン、トライアスロン、格闘技全般、NBA、ラグビーが主な守備範囲。テニスもMLBも陸上競技も好き。
公認会計士 税理士
>>>詳しいプロフィール