「ロングスロー論争」なるものがあると知ったので私見を書いてみた
つい最近、「ロングスロー論争」なるものがネット上で起こっていることを知りました。
内容をざっくり書くと、全国高校サッカー選手権大会で勝ち上がっている高校にロングスローを使っているところが複数あり、
「手で投げる行為でチャンス作るって、サッカーとしてどおなの?」
「高校では通用しても、プロじゃ通用しない」
「ルール上認められてるんだから」
といった喧々囂々の議論が起こっているそうな。
個人的には「ロングスローが論争になるとは…」と苦笑してしまうのですが、ブログに書くいいネタを見つけたので(笑)私見を書いてみようと思います。
ロングスローはいつから?
私見を書く前に、ロングスローについて自分が知っていることを書こうかと。
近年ロングスローで世界的に知名度が高かったのは、ロリー・デラップかと。
プレミアリーグでは、ある種「見どころ」だった時期がありました。
あと、ホベルト・カルロスも時々ロングスローを見せていました。
ロングスローでチャンスメイクをしていたわけではないけれど、かなり離れた味方選手にもボールを出していました。
現役ではガレス・ベイルがたまに見せますね。
でも、ロングスローがサッカーで行われるようになったのは、最近ではありません。
少なくとも1980年代からありました。
私がサッカーでロングスローを見たのは、ベルギーのエリック・ゲレツが最初です。
80年代ベルギー代表の右サイドバック。所属していたPSVでは、キャプテンとして欧州チャンピオンズ・カップ(当時)制覇に貢献していました。
1986年W杯メキシコ大会で初めて見たのですが、ゲレツはGKプファフにノーバウンドでバックパスしていました(笑)。
当時小6の少年ダイはスローインで10m前後しか投げられなかったので驚きでした。
「これ、攻撃で使ったらすごいじゃん」と少年ながらに思っていました。
で、1988年のトヨタカップ。
忘れもしないPSV vs ナシオナル・モンテビデオの試合。大激戦の末のPK決着でした。
その時のPSVの一点目(同点ゴール)が、ゲレツのロングスローが起点でした。
その前にも何度かロングスローを使っていて、「これ、点取れるかも?」と思っていたところにホマーリオがヘッドで決めました。
同じ1988年のEUROでもロングスローを見ました。
グループリーグのソ連vsアイルランド戦でのアイルランドの先制点。
ミック・マッカーシーのロングスローに、ロニー・ウィーランがダイレクトボレーで合わせたスーパーゴールでした。
ソ連のGKが当時世界最高と言われていたダサエフだったので、驚きを超えて衝撃でした。
はい。こちらです。
ということで、
「ロングスローはずっと前からあったよ。しかも高校レベルじゃなくてね」
ということをここでは書いておきます。
ルールを活かして何が悪い!
本題に戻ります。
そもそも論争になること自体が個人的に「?」です。
ルール上、ボールがタッチワインを割ったらスローインで再開されることになっています。
そのスローインには距離の制約もないし、「アシストしちゃいけない」ともされていません。
ロングスローも、さらには、それをチャンスに利用するのも、ルール上何ら問題ありません。
「手で投げる行為でチャンス作るって、サッカーとしてアリなの?」
→スローインそのものに文句があるなら、キックインルールに改正するようFIFAにアピールしなよ。
「高校では通用しても、プロじゃ通用しないんだから」
→「通用しない」んじゃなくて、「できる選手が今いない」んでしょ?
こんなふうに思っています。
シンプルに言えば「ロングスローができる選手がいるなら、それを活かせばいいじゃん。ルールを活かしているのに何が悪いの?」ということです。
フェアじゃないというのなら、FIFAにキックインルールに変えさせればいい話です。
やれるのならやればいい
私は「ロングスローができるのなら、それを武器にすればいい」というスタンスです。
スローインをCKや間接FKと同等のチャンスにできるのは、いい武器になるでしょう。
ただ、同時に「ロングスローができる」イコール「サッカーが上手い」とは全然思いません。
「足が速い」と「サッカーが上手い」がイコールでないのと同じで。
サッカー(足でのボールコントロール)が上手くなければ試合でロングスローを使うこともできないのだから、優先すべきは間違いなくサッカーです。そこは取り違えないてはいけないところです。
それにしても、「ロングスロー論争」があるとは…。
バスケでたとえれば、「デカい人はダンクしちゃいけない」みたいなレベルの話に感じます(苦笑)。
書いた人
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スポーツを見るのも好きなトレーニングジャンキー。サブ3.5を目指す(あと2分ちょっと…)自称中級市民ランナー。
見る方では、海外サッカー、マラソン、トライアスロン、格闘技全般、NBA、ラグビーが主な守備範囲。テニスもMLBも陸上競技も好き。
公認会計士 税理士
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