リアルタイムでとんでもないボクサーが3人もいることが改めてわかった②
昨日①のつづきです。
今回は日本で行われた試合です(もちろん「モンスター」の試合です)。
久々の…
今回の井上尚弥選手の試合は、久々に試合前に「どっちが勝つんだろう?」と思う一戦でした。
これまでの試合の大半は、試合前に思うのは「どっちが勝つんだろう?」ではなく、「何ラウンドで井上選手がKOするんだろう?」でした(笑)。
そのぐらいレベルが違っていました。
今回の対戦相手ムロジョン・アフマダリエフは、今のスーパーバンタム級では最強レベルの選手。
なので、「スーパーバンタム級で井上選手が苦戦するとするなら、ムロジョンだろう」と前々から言われていました。
ムロジョンは2023年にマーロン・タパレスに負けたものの、14勝のうちKO勝ちが11とKO率が高いし、リオオリンピックで銅メダルを獲るなどアマチュア時代の実績もある選手。
ただ力が強いだけでなく、技術的にもハイレベルな選手だと思っていました。
なので、今回は今までのように「まぁKOするでしょという感じにはいかないぞ。油断でもしたらヤバいことになるかも…」なんて思っていました。
しかも同日のセミで行われた武居由樹選手がまさかの4R TKO負けを喫していたので、「おいおい大丈夫かよ…」と空気的にも緊張感がありました。
濃密かつ圧倒的な12R判定
戦前は「10R以降に井上選手がKOするんじゃないかな」と予想していました。
ムロジョンがまだダウン経験ゼロとはいえ、井上選手ぐらいのハードパンチも未体験なはずで、さすがにまともに食らえば倒れるだろうと思っていたのです。
試合前半を比較的慎重に進めていたのは想定内でした。
攻勢に出るとするならムロジョンの動きを見切った時かなと思っていたので、しばらくは慎重に様子を見るだろうなと思っていたのです。警戒しないといけないですし。
でも最後まで「倒しに行く」ラウンドはなかったです。
その代わり、「当てさせずに当てる」、「食わらずに食らわす」を徹底していて、完封に近い試合運びでした。
「井上先生のボクシングレッスン」、「野球で言えば1安打完封レベル」などと表現してもいいぐらいの完勝でした。
実際、私の採点では119-109で井上選手。
つまり、1ラウンドだけムロジョンが獲り、それ以外の11ラウンドはすべて井上選手という感じでした。
技術、ボクシングIQの高さをこれでもかとばかりに見せつけてくれたし、とても密度の濃い12ラウンドでした。
KOじゃなくてもいい理由
元々私は「KO至上主義」というか「判定ダメだよ。KOじゃなきゃ」という考え方ではなく、「判定上等」のスタンスでした。
その理由が今回の井上選手の試合に凝縮されていました。
もし簡単にKOしたら、戦前あれだけ吠えていたムロジョン陣営のことなので、
「あのパンチは事故みたいなものだ。あれさえなければ勝てたし、再戦すれば勝てる」
などと試合後に吠えていたかもしれません(笑)。
でも、KOせずともあそこまで圧倒して完封してしまえば言い訳のしようがないでしょうし、「再戦すれば…」みたいな考えにもなれないのではないかと思うのです。
「俺はイノウエにKOされなかったぜ!」とか勝ち誇ったように言うかもしれないですけどね(笑)。
過去にメイウェザーやホプキンス、ウシクあたりもこういった議論の余地のない判定勝利をやってきたし、同日に行われたカネロ vs クロフォードも同じような判定決着だったので、「別にKOじゃなくてもいいじゃん」と思っていたし、今回の井上選手の試合を見て改めて「やっぱりそれでいいんだよな」と思えました。
とんでもないボクサーが同時に3人もいる!
今回のクロフォードと井上選手の試合を見て、改めて「PFP(パウンドフォーパウンド)のトップ3は突出している」と思いました(もう1人はオレクサンドル・ウシク)。
3人とも直近の試合結果などで順位変動はあっても、不動のトップ3だと思います。
個人的に順位のつけようがありません。
2025年9月17日現在の『The Ring』誌によるPFPトップ10は、以下のようになっています。
1位 テレンス・クロフォード(42勝無敗 31KO)
2位 オレクサンドル・ウシク(24勝無敗 15KO)
3位 井上尚弥(31勝無敗 27KO)
4位 ドミトリー・ビボル(24勝1敗 12KO)
5位 アルトゥール・ベテルビエフ(21勝1敗 20KO)
6位 ジェシー・"バム"・ロドリゲス(22勝無敗 15KO)
7位 中谷潤人(31勝無敗 24KO)
8位 シャクール・スティーブンソン(24勝無敗 11KO)
9位 デビッド・べナビデス(30勝無敗 24KO)
10位 サウル・"カネロ"・アルバレス(63勝3敗2分け 39KO)
10人中7人は20戦以上して無敗です。
4位と5位のビボル&ベテルビエフの1敗は、2度直接対決してお互い1勝1敗だからです。
上記10人は全員すごいですが、やっぱりトップ3は別格かなと思います。
この中に日本人選手がいる、というのが本当にすごいことです。
書いた人

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スポーツを見るのも好きなトレーニングジャンキー。サブ3.5を目指す(あと2分ちょっと…)自称中級市民ランナー。
見る方では、海外サッカー、マラソン、トライアスロン、格闘技全般、NBA、ラグビーが主な守備範囲。テニスもMLBも陸上競技も好き。
公認会計士 税理士
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