シカゴマラソン2023をライブ観戦してよかった話

ランニング、マラソン

10月8日の日曜日の夜は、ラグビー ワールドカップをTVで観戦した後にシカゴマラソンのライブ配信を見ました。
(ラグビーについては明日書きます)

 

日本時間の21:30にスタートだったので、フィニッシュタイムは23:30過ぎ。
女子の上位陣まで見れば24時近くになります。

「少し夜更かしになっちゃうなぁ。どうしようかなぁ」

と思ったのですが、最後まで見て正解でした。

というか、見てよかったです!

 

 

とんでもない世界新記録!

まずは世界新記録が生まれた男子から。

先日書いたとおり、今回のシカゴマラソンではケルヴィン・キプトゥムに注目していました。
キプトゥム「のみ」に注目していたと言っても過言ではないです。

 

予想通りスタートからキプトゥムを初めとするケニア・エチオピア勢(とゲーレン・ラップなどアメリカ人選手)が先頭集団を占めていましたが、2マイル(3.2km)過ぎからペースメーカー1人とキプトゥム、そしてダニエル・キベト・マテイコの3人が飛び出していきました。

 

で、ハーフまでこの3人がぶっちぎり、前半のハーフのタイムは1:00:48でした。
ベルリンマラソンは59分台でのハーフ折り返しなので、ちょい遅い?
ただ、ペースメーカーはしんどくなったのか、ハーフで離脱しました。

 

しばらくキプトゥムとマテイコの2人で並走していましたが、30km過ぎからキプトゥムのギアが上がりました。
何か合図があったかのように一気にぶっちぎって差がどんどん開き、32kmあたりで完全な独走状態になりました。

もう勝負あったという感じ。

 

ただ、そこで「安全運転」をしないのがキプトゥム。

ペースを落とす…いや、キープすらせず、むしろ上げていきました(汗)。
最後の12kmぐらいは、ずっとトップギアで走っていたのではないかと…。
現地中継でも「WORLD RECORD PACE」の文字が出ていて、Twitter(現X)でつぶやきましたが興奮しっぱなしでした。

 

で、ずっとトップギアのままフィニッシュ。

とんでもない世界新記録が生まれました(2:00:35)。

 

キプチョゲが初めて2時間切りに挑戦した『Breaking 2』でのタイムが2:00:25なので、あの時と10秒しか違わないというのが驚きです。

しかも場所はシカゴ。これまでのコースレコードは2:03:52だったところです。

キプトゥムをベルリンで走らせたら、2時間切りいけるんじゃないかと思わせてくれます。

 

キプトゥム本人は世界新記録を狙っていたわけじゃなかったとコメントしていたようですが、見た限りでは狙っていたように見えました(笑)。

前半引っ張ってもらったペースメーカーにはちょいちょい

「ペース上げてよ」
「前に出て引っ張ってよ」

みたいな声がけをしていたし、ラスト10kmで優勝をほぼ手中に収めたにもかかわらず、記録を追いかけているかのように必死の形相でスパートしつづけていたし。

驚異的な走りでした。
たぶん30km以降のキプトゥムには誰もついて行けないと思います。

 

ハッサンもすごかった!

女子で優勝したシファン・ハッサンも素晴らしい走りでした。

レース前半は、もう一人の優勝候補ルース・チェプンゲティチが先頭で走っていたのですが、ハーフ過ぎにハッサンが並び、そこからハッサンが前に出て30kmあたりで引き離しました。

フィニッシュタイムは2:13:44。
2時間14分切り!世界歴代2位です。

先月のベルリンマラソンであの驚異的な世界記録(2:11:53)が生まれていなければ世界新記録でした。

 

ハッサンはマラソン2戦目(!)。
ついこないだ世界陸上で1500m走、5000m走、10000m走に出ていた選手です(しかも1500mで銅メダル、5000mで銀メダル)。

マラソンデビュー戦のロンドンマラソンで優勝し、2戦目も優勝。しかも世界歴代2位。

ハンパないです。

 

それに加えて、かっこいいメンタリティも持っています。

世界陸上の10000m走で、ハッサンはメダルを獲得できませんでした。
というのも、メダル争いのラスト20mあたりで転倒してしまい、11位に終わってしまったからです(転倒は他選手との接触によるものではなかったと思う)。

でも、その後のインタビューでのコメントにシビレました。

 

「バランスを崩してコケちゃったわ。でも、人生はいいことばかりじゃない。山あれば谷あり。だから人生は美しい」

 

このコメントでファンになっちゃいました(笑)。
なので、今回驚異的なタイムで優勝したのを見てよかったし、今後は世界記録、さらには2時間10分切りをターゲットにしてほしいなと思いました。

 

ナイキの最高のプロモーションにもなった

今回優勝したキプトゥムもハッサンも、シューズはナイキの未発売新作「アルファフライ3」を使用していました。

先月のベルリンマラソンでもキプチョゲがアルファフライ3を履いていましたが、今回男子の世界新記録と女子の世界歴代2位のタイムが出たことで、ナイキにとっては最高のプロモーションになったのではないかと。

 

特に、アルファフライは代々

初代アルファフライ…キプチョゲ人類初の(非公認)2時間切り
アルファフライ2…ついこないだまでの世界記録
アルファフライ3…今回の世界新記録

という具合に、「世界記録シューズ」としてのブランディングが出来つつあります。

 

私も欲しくなっちゃいました(笑)。
全然遅いけど(苦笑)。

 

 

 

 

 

書いた人

ダイ
ダイ
スポーツを見るのも好きなトレーニングジャンキー。サブ3.5を目指す(あと2分ちょっと…)自称中級市民ランナー。
見る方では、海外サッカー、マラソン、トライアスロン、格闘技全般、NBA、ラグビーが主な守備範囲。テニスもMLBも陸上競技も好き。
公認会計士 税理士
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