ディフェンスで魅了するボクサーはもう出てこないかもしれないけど、また出てきてほしい
モハメド・アリとマイク・タイソンから始まった私のボクシング熱。
当初はボクサーの迫力ある攻撃やフットワークがカッコよく感じていたですが、見ていく中でディフェンスの上手いボクサーが好きになっていきました。
そのきっかけになったボクサーが2人います。
ジェームズ・トニーとパーネル・ウィテカー。
共通するのは、卓越したボクシングセンスというか、相手のパンチを数手先まで見切っているところじゃないかと。
この2人の現役時代の映像は、今見ても秀逸です。
当てたつもりでもヒットしていない…
トニーのディフェンスを言葉で表現するなら、「柳に風」かと。
相手の攻撃をもらっているようで、ダメージはほとんどない。
当たる寸前のところで、上手く当たり所をずらしているようなディフェンスでした。
相手は、かなり攻撃を出して当てているはずなのに「なんで平気なんだ!?」っていう感じだったのでは。
判定になると印象は良くないのかもしれないけれど、序盤に相手に攻撃させておいて、徐々に自分のパンチをヒットさせていき、最終的に勝つところが「風車の理論」のようで魅了されました。
一番強烈に印象に残っているのが、アイラン・バークリー戦です。
序盤からフルスイングでパンチをガンガン振り回していくバークリーに、トニーが防戦一方かと思いきや……という試合でした。
今見てもシビレます。
パンチがことごとく空を切る…
一方のウィテカーのディフェンスを言葉で表現するなら、「予知能力」でしょうか(笑)。
相手がどんなパンチを出してくるのかを予知しているかのように、ヒョイヒョイかわしていました。
相手の攻撃は、ことごとく空振り。
データはないけれど、「相手のパンチを空振りさせた数」のアベレージなら歴代最高ではないかと思うくらい空振りさせまくっていました。
相手はほとんどが世界ランカーやチャンピオンだったのに、「アマチュア相手におちょくっているプロのスパーリング」のような感じさえしました(笑)。
印象に残っているのは、ホセ・ルイス・ラミレス戦、フリオ・セサール・チャベス戦、オスカー・デラホーヤ戦あたり。
相手の方の完勝を予想していたけれど、見事にハズされました(苦笑)。
今見てもすごいです。
良い意味で「ヘンタイ」です(笑)。
ディフェンス・マスター、また出てきてほしい
そんなに数多くのボクサーを見てきたわけではないので、トニー、ウィテカー以外にも「ディフェンス・マスター」と呼べるボクサーはいた(いる)かもしれないけれど、あそこまで魅了したボクサーはもう出てこないかもしれません。
ボクシングで一番魅力的なのはKOシーンだという人が大半でしょうけど、私はKOと同じくらい卓越したディフェンスを見るのが好きです。
なので、またディフェンスで魅了するボクサーが出てきてほしいなと思っています。
そんな風に思ったのは、ウィテカーの訃報を知ったからです。
まだまだエキシビションやスパーリングで、あのディフェンスの片りんを見せられる若さだっただけに、本当に残念です…
YouTubeで現役時代の映像を見て、また魅了されようと思います。
書いた人
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スポーツを見るのも好きなトレーニングジャンキー。サブ3.5を目指す(あと2分ちょっと…)自称中級市民ランナー。
見る方では、海外サッカー、マラソン、トライアスロン、格闘技全般、NBA、ラグビーが主な守備範囲。テニスもMLBも陸上競技も好き。
公認会計士 税理士
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