遅くなったけど「例の件」の第三者委員会報告書(要約版)を見た

遅きに失した感が否めませんが(苦笑)、「あの会社の例の件」の第三者委員会調査報告書(要約版)に目を通してみました。

「要約版」と言っても77ページもあるので(汗)、サ~ッと目を通した感じです。
(詳細版は300ページ近くあるそうな……)

で、目を通してみた印象を、自分の備忘も兼ねて書くことにしました。

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粉飾の内容

あ。見出しに「粉飾」って書いちゃいましたね…(汗)
まぁ、この期に及んで「不適切会計」と言うのもどうかと思うので「粉飾」ということで。

大きく以下のようなコンテンツになっていました。

  • 工事進行基準(売上の過大計上&引当金の過小計上。多くは両者の合わせ技)
  • 映像事業の経費計上等の処理
  • 映像事業の部品取引に係る会計処理
  • パソコン事業の部品取引に係る会計処理
  • パソコン事業の経費計上の処理
  • 半導体事業における在庫評価

特定事業の特定取引に限ったものではなく、複数の事業(カンパニー)であれこれ行われていたようです。

「いろいろやったんだなぁ」

というのが第一印象でした。

「売上の架空計上」のような類ではなく、多くが「費用・損失の先送り」によって行われていたようです。すぐに白黒がハッキリ分かるようなやり方ではなく、ジャッジメント(経営上の判断)の余地がある領域で利益を過大にしているところもミソだな、とも感じました。

会計監査人の責任は?

注目していたのは、「会計監査人(監査法人)はどうだったのか?責任はあるのか?」というところでした。

しかし、

なお本調査の目的は、会社の不適切な会計処理について、その内容、原因、背景等を含めた事実関係を究明することにあり、会社の財務諸表全体につき監査意見を表明する会計監査人の監査の妥当性の評価、すなわち、監査手続や監査判断に問題があったか否かを調査することを目的としていない。

とあり、会計監査人がどういう監査をしていたのか等についてのコメントはありませんでした。実際、会計監査人に対して行った調査は、複数回の監査責任者および担当者からのヒアリングのみだったようです。

報告書には、会社側が会計監査人に対して不十分な説明をしていた等の内容がありましたが、本当にそうだったのかどうかとか、監査でどういう手続をして、どんなことを発見して、それについてどう判断したのかは、監査の過程を記録した監査調書を確認しないと分かりません。会計監査人の責任問題は、そこを調べたうえで検討されるのかと。

不正を見抜けなかったのは事実としても、それが「監査によって見抜くことができた」不正だったのか、それとも「監査によっても見抜くことができなかった」不正なのかも分かりませんでした。

ニュース記事を見ていると、日本公認会計士協会が調査を始めているようです。そこは協会が調査しよう、ということなのでしょう。

所感

報告書を見ていると、経営者だけが「えいやッ!」とインチキしたというよりも、担当者レベルまで組織的に行われていたような印象を受けました。もちろん経営トップによるプレッシャーが背景にあったのだと思いますが、それにしてもなぁ……と。

「あの会社」の社内では「チャレンジ」という言葉が使われていたようです。「目標利益達成へのチャレンジ」という意味なのでしょうけど、報告書を見ていると「粉飾がどこまでできるかのチャレンジ」だったようにも見えてしまいます……

会計監査人の責任は、よく分かりませんね……。経営者とどういう話をしたのか、とか、問題を把握していたのにスルーしたのか否か、とか、どういうふうに監査していたのか、とかが分からないことには何とも言えません。フォローするつもりもないですが。

粉飾金額と「あの会社」の財政状態からすると、今回のことで「あの会社」の大勢には大きな影響はないでしょう(信用面では大ダメージだけど、会社の存亡までは危うくならない、という意味で)。ただ、何らかのペナルティはあってしかるべきでしょうし、その軽重は過去の粉飾事例を踏まえて決定すべきではないかな、と。再発をなくすためにも甘くはしないでほしいものです。

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ダイ

ダイ

1975年1月生まれ。スポーツを見るのもやるのも大好きな41歳。サッカーではGKからFWまで全ポジションに対応(もちろんアマチュアレベルで(笑))。ボクシングではディフェンス重視のアウトボクサー。フルマラソンはサブ4。東京マラソン10年連続ハズレ中…BlackBerryとOAKLEYサングラスを愛用。 公認会計士 税理士