「キャリアグランドスラム」はとてつもなく難しい・・・

テニスの全仏オープンが終わりました。男子シングルスは、スタン・ワウリンカがノバク・ジョコビッチを下して、初めて全仏オープンで優勝しました。

ジョコビッチはこれに勝てば全仏初優勝で「キャリアグランドスラム」を達成することになっていたので、今回の敗戦は相当痛かったことでしょう。「クレーコート最強」のラファエル・ナダルに準々決勝でストレート勝ちして「これは行けるかも!?」と思っていたのですが、そんなに甘くなかったということでしょうか……
「キャリアグランドスラム」は本当に大変な偉業だと改めて感じました。

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「キャリアグランドスラム」とは?

「キャリアグランドスラム」とは、全豪、全仏、全英、全米のテニス4大大会の全て(総称して「グランドスラム」と言う)を、キャリアを通じて完全制覇することを言います。テニス史上でも、男子シングルスではまだ以下の7人しか達成していません。

  • フレッド・ペリー
  • ドン・バッジ
  • ロッド・レーバー
  • ロイ・エマーソン
  • アンドレ・アガシ
  • ロジャー・フェデラー
  • ラファエル・ナダル

4番目のロイ・エマーソンが達成したのは1964年で、5番目のアガシが達成したのは1999年です。振り返ると、アガシが現役だった頃に強かったイワン・レンドルやステファン・エドベリ、ボリス・ベッカー、ピート・サンプラスも達成していませんし、その前のジョン・マッケンローやジミー・コナーズ、ビョルン・ボルグも達成していないのです。どれだけ大変な偉業かがよく分かるのではないでしょうか。

なんで難しいのか?

なぜ達成するのが難しいのでしょうか?テニスをやっている人なら分かると思いますが、「コートとプレースタイルの相性」というのがシンプルな表現かな、と。

上記「グランドスラム」は、全豪、全米はハードコート(セメントやアスファルトがベース)、全英はグラスコート(芝)、全仏はクレイコート(レンガを粉々にした赤土)という具合にコートの表面が異なります。そして、それによってボールの弾み方、走り方、足の滑りやすさ等が異なるので、プレイスタイルとの相性が出るのです。

ベースライン付近でボールを拾いまくって打ち合いをするのが得意な選手ならクレーコートで強く、サーブが強烈な選手やサーブ&ボレーで積極的にネットプレーに出る選手ならグラスコートに強い、といった感じです。

現役選手なら、ラファエル・ナダルは強烈なストロークでの打ち合いが得意でクレーコートではめちゃめちゃ強く、全仏オープン最多優勝記録(9回)を持っています。代わりにグラスコートやハードコートが得意でない印象です。ロジャー・フェデラーはその逆で、グラスコートに強く全英オープンの最多優勝タイ記録(7回)を持っていて、全仏はようやく2009年に1回優勝できて「キャリアグランドスラム」が達成できたという感じでした。

テニスでは「オールラウンドプレイヤー」になるのは難しく、全てのコートで他を圧倒するのは至難の業です。バスケで言えば「ガードからセンターまでこなせて、しかもショートレンジ・ロングレンジのシュートも上手い、パスもできる、ディフェンスにも優れている」という感じになるし、サッカーなら「DFからFWまでこなせて、運動量は抜群に多く、空中戦・競り合いに強い、パス精度が抜群、シュートも上手い、決定力もある」という感じなので、相当大変なわけです(笑)

ジョコビッチはまだチャンスがあるし、達成可能

ジョコビッチは、現役選手の中ではそんな「オールラウンドプレイヤー」に近い印象があり、どのコートでも好成績を収めています。ただ一つ優勝できていないのが全仏というだけで。

まだ28歳。キャリアのピークに近いかもしれないけれど、フェデラーを見ているとまだ5年は行けるはずです(ナダルも)。今の安定感を持ってすれば、5年以内には達成できるでしょう。

そんなわけで、全仏以外の大会では日本人の錦織選手に「チャンス」を与えてほしいかな、と(笑)

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ダイ

ダイ

1975年1月生まれ。スポーツを見るのもやるのも学ぶのも大好きな41歳。サッカーではGKからFWまで全ポジションに対応(もちろんアマチュアレベル(笑))。ボクシングではディフェンス重視のアウトボクサー。フルマラソンはサブ4。東京マラソンに10年連続ハズレ中…BlackBerryとOAKLEYサングラスを愛用。 公認会計士 税理士