「運動量」が勝利へのカギだと教えてくれる数字

先日、W杯のデータで2期比較をしてみたことを書きました。

もう一つ興味深いデータを比較してみたので、書くことにしました。
2010年、2014年と同一カードとなった、あの試合です。

2010年大会の決勝戦にして2014年の初戦だった「あの試合」

それは、「スペイン vs オランダ」です。
2010年大会で決勝戦だったカードが、2014年大会ではグループリーグ初戦に組まれました。おそらくこれはW杯史上初のことでした。

結果は既にご存知だと思いますが、数字のデータから興味深い結果が見られました。

2010年大会

ボール支配率: スペイン 57%    - オランダ 43%
パス成功率 : スペイン 76%    - オランダ 62%
走行距離  : スペイン 136,362m - オランダ 134,218m

2014年大会

ボール支配率: スペイン 57%    - オランダ 43%
パス成功率 : スペイン 83%    - オランダ 75%
走行距離  : スペイン 102,037m - オランダ 109,381m

ボール支配率とパス成功率では、両試合ともスペインが優勢でした。ということは、どっちの試合でもスペインはオランダよりもボールを回せていたことになります。パス成功率が上がっていることを考えると、決してスペインにパスミスが多かったわけではなさそうです。

やっぱりサッカーで「走る」「動く」の「運動量」は大事

決定的な「違い」があったのは、走行距離でした。2010年大会ではスペインに劣っていた(結果負けた)オランダが、2014年大会では圧倒していました(結果大勝)。

しかし、2010年大会は延長線までもつれたので120分間での数値です。90分で決着をつけた2014年大会とは、そのままの数字で比較することはできません。そこで、2010年大会の走行距離を90分で換算(上記走行距離に「90分/120分」をかける)してみたところ、こうなりました。

2010年大会(90分換算後)

走行距離  : スペイン 102,272m - オランダ 100,664m

つまり、スペインは2010年も2014年も同レベルの運動量だったのに対し、オランダは運動量を10%近く増加していたということです。チーム全体でエネルギッシュに動いた(ボールを追いかけた)ことが勝利につながった要因の一つだったと言えるでしょう。

動きまくってプレッシャーをかけて、相手のミスを誘う。ボールを奪っても動きを止めず、速攻につなげる。それが実践できた結果が、あの去年の5得点につながったんだと数字からも実感できます(見ていて選手の動きが違うことも感じましたが)。

もちろん、動きにも質の良さというか、効果的な動きは必要です。ただ単に走っていればいいというわけでもありません。しかし、互角または格上の相手に勝つには、やっぱり相手を上回る、いや、圧倒するくらいの運動量が大事なのではないか、と思うようになりました。

まとめ

この20年ほどで、サッカーにおけるフィジカルの重要性は格段に増したように思います。瞬発的なスピードや相手に倒されないパワーもそうですが、簡単にバテないスタミナ・運動量も重要です。

最初にそれが現れたのは、今からちょうど20年前の1995年欧州CL決勝のユベントスvsアヤックスだったかと。
あの試合、FWのビアリとラバネッリが最前線からプレッシャーをかけまくり、中盤の選手も精力的に動いてアヤックスに自由にボールを回させていませんでした。当時のアヤックスは本当に強かったのですが、ユベントスはそれを上回る素晴らしさでした。

奇しくも、その時負けたアヤックスの監督がルイス・ファン・ハールで、2014年W杯で大勝したオランダ代表監督もファン・ハールでしたね……

やっぱり技術で勝てるという絶対の自信や確証がない限りは、動きまくること(=「量」での優位性)は大事ではないかと。
「弱者の戦略」ではないですが、弱者なりの戦い方の一つがこれかなと改めて感じました。

私もいろいろなシチュエーションで「弱者」の一人なので(苦笑)、肝に銘じたいと思います……

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ダイ

ダイ

1975年1月生まれ。スポーツを見るのもやるのも大好きな41歳。サッカーではGKからFWまで全ポジションに対応(もちろんアマチュアレベルで(笑))。ボクシングではディフェンス重視のアウトボクサー。フルマラソンはサブ4。東京マラソン10年連続ハズレ中…BlackBerryとOAKLEYサングラスを愛用。 公認会計士 税理士

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