IFRS適用、こんな調査結果が出ていたんですね(笑)

以前、「実際に適用した会社は、どんな感じなんでしょうね~?」みたいなことを書いたのですが、先月にこんな調査結果がでていたようでした(笑)。私、リサーチが甘かったです……(^^;)

国際会計基準採用の大企業、「導入に利点」9割 金融庁調べ

導入には利点があるらしい

記事および金融庁の報告書によると、IFRS適用済みの65社を対象に調査(アンケート+一部企業に直接ヒアリング)したそうで、最も回答の多かったメリットが「経営管理への寄与」だったそうです(回答した60社中27社)。

今までは日本のグループ会社は日本基準で決算をして、米国のグループ会社は米国基準、その他の国・地域のグループ会社はIFRS(または現地の会計基準)で、といった感じで会計のルールがいくつも混在していたので、連結財務諸表の作成やグループ会社間の比較の際に(親会社で)会計基準の差異を調整するステップを踏まなければならなかったのが、グループでIFRS単一の会計基準になったことにより、その手間がなくなった、ということです。

これはこないだも触れましたが、実際そのような結果でした。
同時に、IFRSの適用は「海外の同業他社」との比較もしやすくなるというメリットもあり、「比較可能性の向上」が2番目(12社)に挙がっていました。

また、上記以外のメリットとして「海外投資家への説明の容易さ」というのも挙がっていました。
今までは海外投資家向けには「日本基準では○○○○というルールがありまして~……」という、ルールそのものの説明も必要だったのが、IFRS適用に伴って不要になったということなのでしょう。日本基準が徐々にIFRSに近づいているとはいえ、解消できていない差異(のれんの処理、減損会計、収益認識等々)があるのも事実で、日本基準では未だに海外向けの説明にそういう基準差の説明が必要です。それがなくなるのは確かにメリットでしょう。

デメリットはあるけど、概ね想定通りらしい

メリットしかないわけではなく、やはりデメリットもあるようです。
筆頭は「実務負担の増加」のようです。グループ会計方針の確立・文書化、決算期の統一のような一時的な負担増もありますが、適用後もつづく負担増もやはりあるようです。例えば、複数帳簿管理や日本基準との並行開示が挙がっていました。

有価証券報告書にはIFRSに準拠した決算・開示を行う場合でも、会社法上の決算(連結計算書類)は従来通り日本基準で、という会社も多いです。この場合、IFRSと日本基準で処理方法が異なる場面がいくつもあるため、「ダブル・スタンダード」でそれぞれのルールに従った帳簿を管理せざるをえなくなります(そうする方が効率的なため)。開示情報もまた同様です。このような実務負担は当面避けられないでしょう。

また、コストや期間もそれなりにかかるようです。
ただ、報告書の調査結果を見ていると、概ね企業規模に比例したものとなっているようでした。規模が大きければ、グループ会社数や進出している外国数も相応だと思うので、当然といえば当然かもしれません。

デメリットは他にもありましたが(業績表示のこと、適用そのものの困難さ)、「想定外のデメリット」ということではなかったようです。「こんなデメリットがありそうだなあ」と当初イメージしていたものは概ねその通りで、それ以外に追加発生したものはなかったようなので、懸念事項に対する覚悟さえできればそのまま突き進めるのかもしれません。

終わりに

金融庁の報告書をまだしっかり読んでいませんが(長いので(苦笑))、経営者レベル・実務者レベル双方からの回答が得られているような印象があったので、IFRS適用を検討している会社にとっては十分参考になるのではないかと思いました。

(このテの報告書は「実務者臭」の薄いものが多い印象があるのですが…(^^))

コストや期間については実際のところはケースバイケースでしょうけれど、この結果を受けて大まかなレベル感はつかめるかもしれませんね。

それと、監査法人に対する不満や要求を示唆する内容も盛り込まれていたので、関係者の参考にもなるかと…

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ダイ

ダイ

1975年1月生まれ。スポーツを見るのもやるのも大好きな41歳。サッカーではGKからFWまで全ポジションに対応(もちろんアマチュアレベルで(笑))。ボクシングではディフェンス重視のアウトボクサー。フルマラソンはサブ4。東京マラソン10年連続ハズレ中…BlackBerryとOAKLEYサングラスを愛用。 公認会計士 税理士

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