交際費がそんなに増えていなかったのは「想定外」?

週末の日経新聞に、こんな記事がありました。

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企業交際費、想定より低調 13年度は6.3%増どまり

国税庁によると、2013年度の企業の交際費支出は3兆825億円となり、前年度に比べて6.3%、1815億円増えた。この増加分のうち中小企業の支出が1658億円を占めた。13年度から中小企業の交際費の非課税枠が拡大したためだ。14年度からは大企業も交際費の一部を非課税にできる。ただ、想定より景気を刺激する効果は限定的との声もある。

・・・

交際費の非課税枠の拡大で景気を刺激しようと、麻生太郎財務相の肝煎りで13年度税制改正で決まった。ただ、想定より効果は限定的だったとの声がある。ニッセイ基礎研究所の薮内哲研究員は制度改正によって、中小企業は税負担を変えずに約2843億円分の支出を増やせたと試算。「13根のの支出の増加額は想定より低調。企業がやみくもに交際費を増やすことは少なくなった」と指摘する。

大企業では従来、交際費は全額損金として認められていなかったが、13年度から交際費の50%を税務上の損金として認められた。15年度末までの時限措置だが、14年度は大企業でも交際費支出が増える可能性はある。ニッセイ基礎研究所は、制度改正による中小と大企業を合わせた負担軽減額は約1070億円とみている。

中小法人(事業年度終了日における資本金 or 出資金の額が1億円以下の法人)では、平成26年4月1日以後に始まる事業年度より、交際費のうち接待飲食費については、以下の範囲で損金算入できるようになりました。

(改正前)

  • 年間600万円までは、10%部分が税務上の損金にならない
  • 600万円を超える場合、超える部分については全額が損金にならない

(改正後)

  • 税務上損金に算入できる金額について、「接待飲食費の額の50%相当額」か「年間800万円以内」のいずれかを選択適用できる

これにより、接待飲食費の額が1600万円を超える法人ならば、「接待飲食費の額の50%相当額」を選択し、1600万円以下の法人なら「年間800万円以内」を選択することで、接待飲食費の損金算入枠を最大化できるようになりました。しかも、従前の「10%部分の損金不算入」がなくなったことにより、計算も比較的シンプルになりました。

一方、中小法人に該当しない大企業は「年間○○○万円まで」というのがないので、従来の「全額損金不算入」から「50%相当額は損金算入できる」になりました。

いずれにしても、交際費の損金算入できる余地(損金不算入にならない部分)が増え、交際費にかかる税負担が軽減されました。
政府としては、企業に交際費をじゃんじゃん使ってもらって景気回復の一助になってほしいという意図だったようです。

たしかに交際費を他の経費と同じように税務上損金にできるなら、多少は交際費に対するインセンティブが上がるかもしれません。
しかし、「グヒヒ♪交際費じゃんじゃん使っちゃお♪」なんて短絡的に考えるのは、会社の業績が好調で笑いが止まらないごくわずかな経営者だけではないかと。多くの経営者は、いくら税務上のデメリットが緩和されたとしても、無駄に(売上や利益にちっとも貢献しないのに)お金を使うことはしないでしょう。

どこで誰がどれだけの「想定」をしていたのか不明ですが、税務上のデメリットのちょっとした解消だけで交際費支出が格段に増えると見ていたのなら○○○○○○って思います。

今日で3月終わり。今年も残り9ヶ月!

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ダイ

ダイ

1975年1月生まれ。スポーツを見るのもやるのも大好きな41歳。サッカーではGKからFWまで全ポジションに対応(もちろんアマチュアレベルで(笑))。ボクシングではディフェンス重視のアウトボクサー。フルマラソンはサブ4。東京マラソン10年連続ハズレ中…BlackBerryとOAKLEYサングラスを愛用。 公認会計士 税理士

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