「○階級制覇」と「○試合連続防衛」のどっちがすごいか考えてみた

年末の2日間だけ、しかも国内だけで、ボクシングの世界タイトルマッチが8試合も行われました。

翌日の新聞記事には、「2階級制覇」や「3階級制覇ならず」等の見出しが出ていました。

それを見て、ふと

「複数階級制覇と連続防衛記録って、どっちがすごいだろう?」

と思い、考えてみました。

wbc-wbo-ibf-wba

しばし考えた私の結論は、

連続防衛記録 > 複数階級制覇

でした。
理由が3つあります。

理由1: ウェイト(階級)を維持することの難しさ

そのまんまですが(笑)20代前半(又はもっと前)からずっと同じウェイトを維持するのは誰でも困難です。ボクサーも例外ではありません。

年齢とともに代謝量が減少していくので、歳をとるにつれてウェイトコントロール、特にウェイトを下げるのが大変になります。だからといって無理な減量をすると、コンディションを崩して本来の力を出せなくなるリスクもあります。

複数階級を渡り歩く場合、通常は階級を上げていく方向でシフトします。それは上記理由であることが大半です。
(レアな理由として、「同じ階級に同門の選手がいるから」や「ヤバい強豪がいるから」というのもありますが…(^^))

いずれにしても、同じ階級で現役をずっとつづけるのは大変です。

理由2: 同じ階級にチャンピオンが複数いる

ボクシングでは、世界チャンピオンを認定する団体が複数あります。メジャー団体だけでも、

WBA (World Boxing Association)
WBC (World Boxing Council)
IBF (International Boxing Federation)
WBO (World Boxing Organization)

と4団体もあります。

つまり、例えば「WBAの○○○級チャンピオンになった」といっても、それは必ずしも「○○○級で世界の頂点に立った」とはイコールにはなりません。ベルトを獲って、一度だけ防衛してから上の階級へ転向したとしても、いちファンとして見ると不満が残ります。

「WBCのチャンピオンの××と統一戦をやったらどうなるだろう?」

等の「もしも…」の議論が必ず出てしまうのです。

理由3: 複数階級制覇は負けてもできるが、連続防衛は負けられない

これが私の考える最大の理由です。

複数階級制覇は、その過程の中で負けが許されます。

例えば、「フライ級チャンピオンになって、防衛に失敗して、スーパーフライ級に転向してチャンピオンになって、また防衛に失敗して、バンタム級に階級を上げてチャンピオンに」という形でも、「3階級制覇」は成立します。

しかし、連続防衛は、同じ階級であることが必須であるのに加えて、一度たりとも負けることができません。一度でも負ければ記録は終了です。

ずっと対戦相手を選ばずに勝ちつづけるのですから、ウェイトコントロールだけでなく精神面でも相当キツイでしょう。それだけに連続防衛の長い選手には、ただただ感服です。

補足: 複数団体統一はすごい

少し横道に逸れますが、「複数階級」ではなく「複数団体」で統一チャンピオンになるのはすごいです。

例えば、同じ階級のWBAとWBCのチャンピオン同士で統一戦をして、それに勝って統一チャンピオンになるというケースです。これは「チャンピオン vs チャンピオン」の試合をして勝たないと達成できないですし、「世界を征する」に近いものがあるからです。

上に書いた主要4団体を完全制覇すれば、「世界の頂点に立った」と言って間違いないでしょう。

マイク・タイソンはヘビー級でWBA、WBC、IBFの3団体統一チャンピオンでしたし(当時はWBOはマイナー団体でした)、バーナード・ホプキンスはミドル級で4団体を統一しています。彼らは正真正銘の「頂点に立った」ボクサーと言えます。

まとめ

書いてみると、やっぱり連続防衛は複数階級制覇よりも評価されるべきだなぁと感じます。

連続防衛記録は、日本では具志堅用高さんの13回が最多です。世界ではジョー・ルイスの25回(!)を筆頭に、

ダリウス・ミハエルゾウスキー(独) 23回(WBO,LH)
リカルド・ロペス(メキシコ) 22回(WBC, Mm)
スベン・オットケ(独) 21回(IBF,SM)
エイブ・アッテル(米) 20回(Fe)
ラリー・ホームズ(米) 20回(WBC→IBF,H)
バーナード・ホプキンス(米) 20回(IBF,M)

と、20回以上防衛したボクサーが7人います。
ずっと同じ階級でチャンピオンでありつづけたわけですから、強さだけでなく日頃の節制という点でも尊敬に値します。

WBAスーパーフェザー級で9度目の防衛をした内山選手の記録更新への期待が高まると同時に、TVでは面白いキャラの方が先行してしまっている具志堅さんのボクサーとしての偉大さを改めて感じます。

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ダイ

ダイ

1975年1月生まれ。スポーツを見るのもやるのも大好きな41歳。サッカーではGKからFWまで全ポジションに対応(もちろんアマチュアレベルで(笑))。ボクシングではディフェンス重視のアウトボクサー。フルマラソンはサブ4。東京マラソン10年連続ハズレ中…BlackBerryとOAKLEYサングラスを愛用。 公認会計士 税理士

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