【プロローグ14】「革命」は言い過ぎじゃないかと…

サッカー年間最優秀選手。
FIFAによる発表はまだですが、フランスの「レキップ」紙が選定したのは、ドイツ代表GKのマヌエル・ノイアーでした。

FIFAが最終候補者の3人(ノイアー、C・ロナウド、メッシ)をすでに発表していて、誰が選ばれるのか注目されるところですが、「レキップ」がノイアーを選んだ際のコメントには違和感がありました。


それによると、

「特にエリア外まで飛び出す守備範囲の広さでゴールキーパーというポジションに革命をもたらした」

とのことです。

私のリアクションは、

「はぁ?」

です(笑)。

エリア外まで積極的に飛び出していたGKは、過去にもいます。
すぐに思いつく元選手として、レネ・イギータ(コロンビア)やホルへ・カンポス(メキシコ)、エドウィン・ファン・デル・サール(オランダ)は、今のノイアーと同等か、それ以上に積極果敢な飛び出しを見せていたはずです。

ノイアーが今年大活躍したのは間違いありません。現役GKとしては今や世界最高と言っても過言ではないでしょう。

しかし、ノイアーが良かったのは飛び出しだけではありませんし、それが「革命」と言えるほど斬新だったとも思いません。ノイアーが優れたGKであることには肯定的ですが、「革命をもたらした」には完全否定です。

ノイアーが他のGKよりも優れているのは、何よりもフィジカルです。体格、反射神経、敏捷性、リーチの長さ。それらにアドバンテージがあって、飛び出しの良さも生かされていると見ています。

特にこの1年は、「飛び出す」と「動かない」の選択(=判断)が良く、それが代表とバイエルンでの活躍につながっているのだと思います。
(GKコーチのアンドレアス・ケプケの助言でもあったのでしょうか?)

ノイアーのエリア外への飛び出しがクローズアップされていますが、裏を返せばドイツでもバイエルンでもCBが磐石と言えず、ノイアーがカバーせざるをえないとも言えます。

サッキ、カペッロ時代のミランでは、GK(G・ガッリ、A・パッツァーリ、S・ロッシ)はオフサイドトラップに失敗したときのために、トラップを仕掛けたのと同時に前に出ていましたが、今のノイアーはそれとは違い、CBが裏を取られることが多くて必死にカバーしている印象です。

それとノイアーの場合、今年は大きな飛び出しミスがなかったのもポイントかな、とも思います。

イギータは、明らかにノイアーよりも大胆な飛び出し&時々ドリブルでの攻め上がり(笑)をしていたので、「革命」を語るならば、イギータがパイオニアです(これにカンポスがつづいた)。

しかし、あの有名な90年W杯イタリア大会カメルーン戦での痛恨のミスをやってしまったので、今日まで良くない印象のGKになってしまっています…

あの大会では、優勝した西ドイツもイギータに相当手こずっていたんですよね…

もしノイアーがイギータと同じような大きなミスを、今年一度でもしていれば、最優秀選手にノミネートされたとしても、少なくとも「革命」などと評されることはなかったんじゃないかなと思います。

ノイアーはまだ28歳と若いので、あと5年くらいは今のスタイルで行けますが、それ以降はどうでしょう?

ファンデルサールも、若かったアヤックス時代は守備範囲が広かったですけど、年齢とともに狭くなりましたからね・・・。

今年ノイアーは素晴らしい活躍をしたとは思いますが、「年間最優秀選手」に値するかどうかは個人的に「?」です。

レフ・ヤシンが1963年に初めて獲得してから約半世紀もの間、GKの最優秀選手はいません。今年のノイアーがそんな稀少な栄誉に値するかどうかは、私には「?」なのです。

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ダイ

ダイ

1975年1月生まれ。スポーツを見るのもやるのも大好きな41歳。サッカーではGKからFWまで全ポジションに対応(もちろんアマチュアレベルで(笑))。ボクシングではディフェンス重視のアウトボクサー。フルマラソンはサブ4。東京マラソン10年連続ハズレ中…BlackBerryとOAKLEYサングラスを愛用。 公認会計士 税理士

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