NBAの試合時間or試合数削減論について思うこと

先週、NBAでこんな議論が起きているという記事を見かけました。

L・ジェームズ 「問題は試合時間ではなく試合数」

M・ジョーダン 「私なら試合数削減を望んだりはしない」

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そもそもの発端は、NBAのプレシーズンマッチ(日本のプロ野球で言うところの「オープン戦」)の試合時間を、実験的に現行の48分から44分に行ってみようということになったことから始まります。

NBA側の意図としては、「試合時間を短くすることで、試合を密度の濃い、緊張感の高いものにしたい」というのがあったのでしょう。これを受けて選手がコメントを求められて、レブロン・ジェームズのようなコメントが出てきたのでしょう。

おそらく選手側の発言の趣旨は、

「俺たちゃ、シーズン中全米(とトロント)をあちこち移動しなきゃいけないし、家族とも離れるし、試合以外の部分で大変なんだよ。試合時間が減ったって、その辺の大変さは変わらないじゃん。試合の密度を濃くしたいのなら、試合数を減らしてほしいよ」

というところでしょう。

双方の言い分共に多少は理解できます。

しかし、マイケル・ジョーダンが指摘しているように、選手側に「試合数を減らしたら、自分たちの給料が減っちゃうよ」という理解がちゃんとあるのか、という疑問はあります。

レブロンやダーク・ノヴィツキーのような年俸20億円前後の大物選手なら、仮に試合数が82試合から60試合前後に減って給料が25%ぐらいダウンしても、それほど生活そのものに支障はないでしょう(資産運用とか、そういう部分での影響はあるでしょうし、単純に「数億円減る」というのは、ものすごいインパクトですが……

NBAには最低保証額の年俸でプレーしている選手も多いわけで(こっちの方の選手の方が圧倒的に多い)、そういう選手の場合、同じ25%の減俸でも生活への影響は大きいはずです(私も25%ダウンしたら大変です)。

そんな選手たちも減俸を覚悟しているのか、という疑問が拭えません。影響力のあるレブロンやノヴィツキーの発言なのでクローズアップされていますが、選手の総意かどうか疑問なのです。

また、仮に「試合数削減」となった場合、これまでのNBA記録はどうなってしまうのでしょう?
1995-96シカゴ・ブルズのレギュラーシーズン勝利数記録(72勝10敗)は「アスタリスク(*)」付きになってしまうかもしれませんし、個人記録への影響も出てくるでしょう。キャリア通算得点の大偉業の指針である20000得点への到達速度にも、間違いなく影響は出ます。

これまでにロックアウト(労使紛争による開幕延期)等でレギュラーシーズン試合数が減った年はあったものの、そんな年は試合数が少ないことに対するファンからのブーイングも多かったような……?

もう少し言うと、82試合で大変だとすると、MLBの162試合はどうなってしまうのでしょう?肉体的な負荷という点では、たしかに「MLB<<<NBA」なので同じ162試合というのは無謀ですが、現行の82試合で移動や遠征が厳しいと言っていたら、MLB選手(さらにはバスでしか移動できないマイナーリーグの選手)たちは「このヘタレが!」と思うのでは?と思います(私の勝手な推測)。

こうして書いてみると、私はけっこうマイケル・ジョーダンのコメントに近い考えです(別に「ジョーダンが好きだから」という理由ではなく)。特に、いつも年俸のことでシビアな交渉をしている選手たちが、本当に減俸覚悟で試合数削減を訴えているのかは疑問です。

これまで何十年もの間(それこそビル・ラッセルやウィルト・チェンバレンの時代から)レギュラーシーズン82試合を続けてきたわけですから、いきなりコロッと変わることはないと思いますが、検討するなら一部の選手やオーナーだけでなく、もっと多くの関係者からの意見を取り込んで徹底的に議論してほしい問題だなと思いました。

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ダイ

ダイ

1975年1月生まれ。スポーツを見るのもやるのも大好きな41歳。サッカーではGKからFWまで全ポジションに対応(もちろんアマチュアレベルで(笑))。ボクシングではディフェンス重視のアウトボクサー。フルマラソンはサブ4。東京マラソン10年連続ハズレ中…BlackBerryとOAKLEYサングラスを愛用。 公認会計士 税理士

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