もはや別次元・・・2時間2分台のマラソン世界新記録

先週末、ベルリンマラソンでマラソン(42.195km)の世界新記録が生まれました。

その記録は驚異的でした…。

ベルリンマラソンは、マラソンの国際大会では有名な「高速コース」で、世界記録が出やすい大会として有名です。今回生まれた世界記録を含む「マラソン歴代記録ベスト10」うち、上位7位(!)がベルリンマラソンで出た記録です。

41st BMW Berlin Marathon

「高速コース」って何?

マラソンのタイムは当然ですが、選手の体調や天候のような要因に左右されます。
それと同じく、コース設定によっても左右されるでしょう。

市民ランナーでも分かると思いますが、アップダウンの激しいコースでは好タイムは出にくくなります。上り坂で心肺と大腿四頭筋に、下り坂では脚(特にヒザ)に負荷をかけてしまい体力を消耗してしまうからです。平坦な方が(上り下りが少なく、なだらかな方が)良いタイムが出やすいです。

日本のレースでは、坂道を通ったり橋を渡るコースが多いので、なかなか「高速コース」と言えるコースはないように感じます。

東京マラソンでは36km当たりで築地大橋を渡る上り坂がキツそうですし、私が実際に走った神戸マラソンでも、35km過ぎからの神戸大橋を渡るところが本当にキツかったです…。

コースとしてはいろいろな場所を通るので楽しいですが、「記録を出すためのコース」として両立するのは難しいということでしょう。

今回のベルリンマラソンは世界有数の「超平坦コース」なので、「記録を出すためのコース」としての特色が強かったと言えます。

berlinmara2014map

新記録を出したのは「あの人」でした

今回の世界新記録を出した選手の名前を聞いて、「ああ!やっぱり!」と思ったのは私だけではないでしょう。

デニス・キメット(ケニア)。2013年の東京マラソンで優勝した選手です。

この大会は自宅近くの東京マラソンのコースで観戦していました。
30~31km地点の場所なのですが、そのレースではキメットを含むケニア勢がちょうど観戦ポイントの30km過ぎからアタックを仕掛けていました。

そのアタックの速さがハンパではなく、冗談抜きでダッシュを始めたように見えたのでドン引きしました…(子供を肩車しながら(笑))。

何か合図があるわけでもなく、また表情を変えるわけでもなく、淡々とストライドを大きくして前に出て行きました。ケニア勢とエチオピア勢は食らい付いて行きましたが、他の選手は千切られる一方。「これじゃあ日本人選手は勝てないよ……」と思わずにはいられませんでした。

そのアタックからほぼずっと同じような高速ペースを維持してキメットが優勝しました。

最終的なタイムは、今年(2014年)の大会でディクソン・チュンバ(ケニア)が出した記録の方が上ですが、あの時のキメットのアタックの方がインパクトは強烈で、

「いずれ世界新記録を出すかもしれないな」

と秘かに思っていました(いや本当に)。

「2時間3分切り」は予想外でした

そうは言っても、2時間3分のカベを突き破るとは思ってもいませんでした。

6年前に「皇帝」ハイレ・ゲブレセラシエ(エチオピア)が人類で初めて2時間3分台(2:03:59)で走った時に、

「うわー。2時間4分切っちゃったよー」

という純粋な驚きと同時に、

「さすがに2時間3分切りは、今後10年以上はないだろうなあ…」

とも思っていました。

それが、わずか6年で……(苦笑)。ただただ驚きです。
去年、ウィルソン・キプサング(ケニア)が2時間3分30秒を切った時も驚きでしたが、それを26秒も上回るとは…。

「26秒差」というと、マラソンのラストスパートでは150mぐらい(もうちょい?)の差ではないかと思います。とすれば、去年のキプサングが42km地点を少し過ぎたところで、キメットがゴールしたという計算になります。

やっぱりヤバい…。

おまけに、今回2位だったエマニュエル・ムタイ(ケニア)も2:03:13と、去年のキプサングの記録を上回っていました…。

もはや別次元…

「皇帝」の6年前の記録は、すでに歴代5位に追いやられています。
2時間4分台でも後半だと、歴代トップ10からは外れてしまいます。

ちなみに、1kmあたり3分ちょうどで42km走っても2時間6分かかります(3分 × 42km = 126分 = 2時間6分)。つまり、トップ選手はアベレージで1kmあたり3分切りをしているのです。

もはや日本人選手が入り込める領域ではなくなっています……。

日本記録(かつアジア記録)は、高岡寿成選手の2:06:16です。1kmあたり3分ジャストで走りつづけたのとほぼ同じタイムであり、これも間違いなくすごいタイムなのですが、アフリカ勢の異次元の速さに霞んでしまっています…。

デニス・キメットは現在30歳。「皇帝」ゲブレセラシエが2時間4分切りをしたのは、35歳の時でした。

あと5年は更なる記録が狙えるのではないかと思います。

さすがに「2時間2分切り」は10年以上かかるのではないかと思いますが(笑)

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ダイ

ダイ

1975年1月生まれ。スポーツを見るのもやるのも大好きな41歳。サッカーではGKからFWまで全ポジションに対応(もちろんアマチュアレベルで(笑))。ボクシングではディフェンス重視のアウトボクサー。フルマラソンはサブ4。東京マラソン10年連続ハズレ中…BlackBerryとOAKLEYサングラスを愛用。 公認会計士 税理士