これからのGKに求められる能力・資質

先日、雑誌『番号』のイビチャ・オシムさんのインタビュー記事にGKのことが触れられていたので、GKに求められる能力・資質について考えてみました。

求められる能力

オシムさんは、W杯でのドイツ代表GKノイアーの活躍(特に、前への果敢な飛び出し、手以外での対処)に関して、こんなコメントをしていました。

「ゴールキーパーに関しては、オランダが長くこのポジションで支配的だった。彼らのトレーニング方法がそうであったからだ。オランダではゴールキーパーも、最初から(フィールドプレーヤーのように)プレーをすることが求められる。そこからすでに違いがあった。オランダではすべてのゴールキーパーがそうで、大きな進化を遂げていた。プレーに参加し、最後尾のリベロの役割を担っていた。

ノイアーも何度もゴールから飛び出し、まるでリベロのようだった。本物のディフェンダーのようなプレーぶりだった。テクニックに優れ、味方にパスを簡単に渡せる。だからプレーがすぐに始まる。」

オランダが支配的だったかどうかは「?」ですが(笑)、たしかにオランダのGKは代々足でしっかりボールコントロールできていました。

エドウィン・ファン・デル・サールが足でのボール処理が上手かったのは有名ですが、さかのぼってみても80~90年代前半のハンス・ファン・ブロイケレンも積極的に前に出ていましたし、さらにさかのぼって70年代のヤン・ヨングブルートもよく前に出て足でクリアするタイプのGKでした。

ヨングブルートの場合、オランダ代表がオフサイドトラップをどんどん仕掛ける守備をしていたのでフィールドプレーヤーのような役割が必須だったわけですが、それが上記のオシム監督のコメントに表れています(そういえば、ヨングブルートはGKなのに背番号が8でした(笑))。

オランダではないですが、ミランのGKだったセバスティアーノ・ロッシも大柄ながらも前に出ていくGKでした。これもミランDFの特徴によるものです。DFラインが絶妙なオフサイドトラップを仕掛けるので、大抵の場合ロッシがヤバくなる場面はありませんでしたが、それでも常にスタンバっていました。

今後は「素早く前に出て行く速さ」と「足と頭でボールをさばく力」がより一層求められるでしょう。当然ですが、その前提として「判断力の良さ(的確・迷わない)」も不可欠です。

ちなみに、コロンビアの元名GKレネ・イギータのような、ドリブルで攻め上がっていく能力までは必要ないかなと思います(笑)。

求められる資質

先日、<a href=”<% pageDepth %>sports/soccer/20140821gkgettingtaller.html”>近年GKが高身長化しているという内容</a>を書きました。まさに、それがこれからのGKに求められる資質なのでしょう。

FWもDFも全体的に選手が大型化しています。DFラインに長身選手がいない場合には、GKが長身であることは特に要求されますし、そうでなくても大型FWへの対応のために必要な資質です。

オシムさんのコメントにもありました。

「もちろん今は、どこもゴールキーパーの進化に力を入れている。というのも数的優位のプラスアルファを生み出せる唯一のポジションであるからだ。そこに優れた選手がいれば、うまくコンビネーションが取れるしフィールドプレーヤーのように彼を活用できる。とりわけ身体が大きく、タイミングよく飛び出して優れたアスリートであれば申し分ない。多くの可能性が開けてくる。大きな前進だ。」

上記の能力に加えて、身体的な大きさもあれば申し分ない。その通りだと思います。
欲張りな感じもしますが(笑)。

逆に言えば、大きい選手はそれだけで強みがあり、飛躍するチャンスがあると言えます。
瞬発力と判断力、そしてボールコントロールを身につければ、チーム内のレギュラー争いにおいても大きなアドバンテージになるでしょう。

(そう考えると、レアルがD・ロペスを放出したのはどうだったのだろうと思います。カシージャスもナバスも、身長185㎝でほぼ同じです。196㎝のD・ロペスは残すべきだったのでは?と思うのです。)

まとめ

これまでは、GKに求められる能力・資質には「ボールを怖がらない勇気」、「判断力・冷静さ」、「敏捷性・瞬発力」等がありましたが、これからはそれにプラスする形で上記のようなものが求められるでしょう。

そのためには、練習方法も少し考える必要があるでしょう。今までのように、シュートを止める練習ばかりではなく、フィールドプレイヤーと同じようにボールを扱う練習も積極的にメニューに組み込む必要が出てきます。

(背の高さはどうしようもないですね……)

それと、かつてのイギータやチラベル、ホジェリオ・セーニのようなFK、PKのキッカーになる能力は、「おまけ」のような感じで良いでしょうね(笑)。

The following two tabs change content below.
ダイ

ダイ

1975年1月生まれ。スポーツを見るのもやるのも大好きな41歳。サッカーではGKからFWまで全ポジションに対応(もちろんアマチュアレベルで(笑))。ボクシングではディフェンス重視のアウトボクサー。フルマラソンはサブ4。東京マラソン10年連続ハズレ中…BlackBerryとOAKLEYサングラスを愛用。 公認会計士 税理士

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする