「精密機械」と言えば、この選手!リカルド・「Finito」・ロペス

昨日、とある会話の中で「精密機械のような…」という言葉が出てきました。

スポーツ界で「精密機械のような…」言えば、真っ先にリカルド・ロペスの名前が浮かびます。私が尊敬する、そして大好きなボクサーの一人です。漫画『はじめの一歩』に出てくるリカルド・マルチネスのモデルとしても有名です(笑)。

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リカルド・ロペスは、ボクシング界のレジェンドの一人で、「軽量級歴代最強」の一人に必ず挙がるボクサーです。ニックネームは「フィニート(Finito)」。「完成された、完璧な」のような意味です(直訳ではありません)。

「精密機械」の理由

どんなところが「精密機械」かと言うと、ヘンなクセが全くと言っていいほどないところです(そこがクセだったのかもしれませんが…)。常にガードを高く構えて、アップライトで半身の姿勢です。つけいるスキが全くありません。しかも、どの種類のパンチも教則ビデオの見本のようなキレイなフォームで繰り出され、切れ味も抜群なのです。

当時のボクシング中継の解説者も、ことあるごとに「教科書のようなボクシング」という言葉を使っていました。おそらく、多くのトレーナーの方が言う「こういうボクシングをさせたいんだよ」という「こういうボクシング」なのだと思います。それぐらい基本に忠実、いや忠実すぎるスタイルでした。

過去の試合映像をYouTube等で見ていただけると分かりますが、ラウンド開始のゴングが鳴る前からガードを固めて身体を揺すっています。始まった瞬間からスキが全くないのです…(笑)。しかも、ラウンド終了のゴングが鳴った瞬間にクルッと身体を反転させて、自分のコーナーに戻っていきます。勢い余ってゴングの後にもパンチを……なんてことは皆無でした。そんな佇まいも「精密機械」たる所以でしょう。

むかし読んだ本で、大橋秀行さんがロペスと試合をする前にトレーナーの方が偵察に行ったところ、シャドーボクシングを見た瞬間に「これはヤバい…」と感じた、というのを見ました。「シャドーボクシングだけでヤバさを感じさせるって、どんなのだろう?」と思いますが(笑)、ロペスの試合を見ると納得です。 全然隙がない……

また、メキシコの英雄フリオ・セサール・チャベスがまだ無敗街道を走っていた時に、「リカルド・ロペスが同じ階級だったら絶対勝てない」という内容のコメントをした、という逸話を聞いたこともあります。

とんでもないKO率

ロペスが凄いのは、それだけではありません。
ロペスのプロでのキャリア通算成績は、52戦51勝1分け無敗37KO。無敗のまま引退したことも凄いのですが、51勝のうちKOが37回という中量級以上の選手のようなKO率を誇っています。

通常、ボクシングでは階級が上がるほどKOが多くなります。当然ですが、体重が重いほどパンチが重くなり、威力があるからです。そのため、最軽量のミニマム級やライトフライ級の試合でKOは、よほどの実力差がない限り起こらないはずなのですが、ロペスは7割以上の確率でKOしていました。ロペスが強すぎたのでしょう。

試合を見ていても、パンチは鋭いですし、実際のフィニッシュブローも完璧なタイミングで当てています。
自分が見た中では最も衝撃的だったのは、相手選手がロペスの左アッパーをもらって、身体が一瞬宙に浮いた(ように見えた)シーンです。アニメのようなフィニッシュを実際にやってしまったので、見た時「うお!」と声を出してしまったほどでした(苦笑)。

ロペスのボクシングはなかなか真似できませんが、これからもずっとボクサーの良い手本になるのではないかと思います。

さらにすごいところ

ロペスはキャリアの大半をミニマム級(当時のストロー級、47.62kg以下)で戦ってきて、チャンピオンを22回防衛しました。

当然、年齢を増すごとに減量が厳しくなりますし、実際にキャリアの中で階級を上げていくボクサーは数知れずいるのですが、デビューから31歳までずっと最軽量のミニマム級でやってきたのは、それだけでもすごいことです(身長165㎝なので、決してミニマム級の中でも身体は小さくないのに…)。日頃からストイックに節制しているからこそのことです。

最後に

リカルド・ロペスを思い出して熱く書いたのは、今日ボクシングのタイトルマッチがあるから、でもあります。

八重樫東選手が、ニカラグアのローマン・ゴンサレスというボクサーとWBCフライ級の防衛戦をします。別に八重樫選手と知り合いではないですし、特別な思い入れがあるわけでもないのですが(苦笑)、八重樫選手が前述の大橋さんのジム所属で、「そういえば大橋さんは…」とロペスとの試合を思い出したのがきっかけでもあります。

(大橋vsロペス戦は、ロペスの凄さを知るきっかけとなった試合でした。)

しかも、今回の相手ローマン・ゴンサレスはここまで39戦全勝33KOと、ロペスと同じような抜群の戦績とKO率です。今の軽量級では「最強」の一人です。

そんなこともあり、今日の熱い試合になるのではないかと楽しみです。

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ダイ

ダイ

1975年1月生まれ。スポーツを見るのもやるのも大好きな41歳。サッカーではGKからFWまで全ポジションに対応(もちろんアマチュアレベルで(笑))。ボクシングではディフェンス重視のアウトボクサー。フルマラソンはサブ4。東京マラソン10年連続ハズレ中…BlackBerryとOAKLEYサングラスを愛用。 公認会計士 税理士