メッシがマラドーナを超えていないと考える3つの違い

今、現役最高のサッカー選手としてリオネル・メッシの名前が挙がるのは説明不要でしょう。これには私も一切反論しません。

しかし、「史上最高か?」となると、私の意見は「ノー」です。
メッシはまだマラドーナを超えていないと思っているからです。

今回は、よく比較されるマラドーナとメッシの違いについて共通点とともに書いてみます。

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共通点

まず、マラドーナとメッシには、共通点がけっこうあります。

  • アルゼンチン人であること
  • 「10番」であること
  • 常にチームのエースであること
  • 同じような体格であること
  • ポジションもほぼ同じであること
  • 左利きであること
  • バルサ在籍歴があること
  • 少年時代から脚光を浴び、ワールドユースで優勝して更に注目されていたこと

等々あります。

これが、二人がよく比較される一因になっていると思います。

過去にホルヘ・ブルチャガやクラウディオ・ボルギ、カルロス・タピア、アリエル・オルテガ等々「マラドーナ二世」という触れ込みの選手がいましたが、メッシが一番近い存在であることは間違いないでしょう。

違い

1. W杯での実績

私がメッシを「マラドーナ以上」だと認めない理由としてすぐに挙げるのはコレです。

メッシはまだW杯で優勝していません。

アルゼンチンのプレイヤーとして「史上最高」の存在になるのであれば、W杯を制覇することは必須だと思っています。マラドーナが登場する前にはマリオ・ケンペスもW杯を制覇しています。

もちろん、サッカーはチームスポーツなので、その時のチーム事情やコンディション、対戦相手等々いくつもの要因があるので、どんなにすごい選手でも簡単にできるものではありませんし、「タイミング」も重要な要素かもしれません。

しかし、マラドーナ率いるアルゼンチンは、86年メキシコ大会に優勝しました。90年イタリア大会でも決勝に進出しました。

当時の代表メンバーで、「大物」選手と言えば、ブルチャガ、バルダーノ、ルジェリぐらいだったのでは?(90年大会にはカニーヒアがいましたね)

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良い選手はいたけれど、今のアルゼンチン代表ほどメンバーには恵まれていなかったと思っています。少なくとも当時のブラジルや西ドイツ、フランス、イングランドほどメンバーが優れていたとは思えませんでした。

でも、それでもアルゼンチンは86年大会に優勝しました。特に決勝トーナメントでのマラドーナの活躍はとてつもなかったです。まさに独壇場でしたし、今後も語り継がれる「伝説」になるでしょう。

翻って、今のアルゼンチンはどうでしょう?

FWにはイグアイン、アグエロ、ラベッシという欧州で活躍している選手がいますし、中盤にもマスチェラーノやディ・マリア、アルバレスらがいます。DFとGKがイマイチに感じられますが、86年当時のメンバーと比べて劣っているとは思いません。

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今年のW杯は、メッシにとって最大で最後の優勝のチャンスだと思います。

優勝しなければ「メッシ<マラドーナ」という関係が私の中で確定します。

2. クラブチームでの環境

クラブチームでの実績は、言うまでもなく「メッシ>マラドーナ」です。

マラドーナは欧州CL(当時のチャンピオンズ・カップ)で優勝した経験がありませんし、セリエAでの優勝も2度だけです。

ただ、これについては、環境が大きく違うことが要因になっています。

端的に言うと、メッシは恵まれています。

バルサのカンテラ(下部の育成組織)時代から今日まで、ずっと同じような仲間とプレーしています。しかも、その仲間がチャビやイニエスタ、プジョル、ピケ、セスク等々、世界王者スペイン代表でも中心メンバーという錚々たる顔ぶれです。

多分、メッシ抜きでもリーガ・エスパニョーラで4位以内に入れるぐらいの実力はあると思います。

一方マラドーナのバルサ時代のチームメイトで有名なのは、アレサンコ(クライフ監督時代初期のキャプテン)とベルント・シュスターぐらいしか思い浮かびません……

当時のバルサは今のように洗練されておらず、いつも他の6チームぐらい(レアル、アトレティコ、ビルバオ、ソシエダ、バレンシア、ヒホン、セビージャ等々)としのぎを削っているような状況でした。

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ナポリにいた時代も、今とは違って外国籍選手の枠が2人(後に3人)しかいなくてチームメイトには恵まれていませんでした。もともと小さなチームだったわけで、イタリア人ではデ・ナポリとバーニぐらいしか実力者はいませんでした(2人とも当時のイタリア代表でスタメンでしたが、中心選手ではありませんでした)。カレカとアレモンのブラジル人コンビがいましたが、それでも今のバルサの選手層とは比較になりません。

当時、ナポリにマラドーナがいなかったら、セリエAで10位以下、いやB落ちだってあり得たと思います。むしろ、プラティニ率いるユヴェントスやバレージ、マルディーニ、オランダ・トライアングルのいたミラン、ドイツトリオ(マテウス、ブレーメ、クリンスマン)のいるインテル、ジャンニーニやフェラーのいるローマらを相手に、2回もセリエAで優勝したことが驚異です。

なので、あまりクラブチームでの実績は比較しようがないかなと思っています。

そして、メッシはまだバルサ以外のクラブでプレーした経験がないので、

「バルサのメッシ」は抜群に優れているけど、「他のチームでのメッシ」はどうなんだろう?

というクエスチョンが常にあります。

3. 「負け試合」での存在感

上記2つは、サッカーが好きな多くの方が議論するところだと思います。
(もちろん、私の意見に反論する方も多いでしょう。)

しかし、「負け試合」に着目する方は多くないのでは?と思います。

具体的には、チームが負けた試合での「存在感の違い」です。

勝った試合では活躍しているのは言うまでもありません。両者とも、ほとんどの勝ち試合で勝利に貢献しています。

しかし、負けた試合を見ていると、明らかな「違い」を感じます。

簡単に言うと、負け試合でもマラドーナは「マラドーナ」なのですが、メッシは「メッシ」ではないのです。

マラドーナは、ボカでもバルサでもナポリでもアルゼンチン代表でも、負けた試合でも常に光を放っていました。相手に徹底マークされながらも隙を見出して、味方に良いボールを供給したり、積極的に局面を打開すべく孤軍奮闘していました。ピッチ上で存在が「消える」ことは、ほとんどなかったと思っています。

一方、メッシの負け試合を見ていると、そうは感じないのです。2010年W杯のドイツ戦(0-4)や、記憶に新しい昨シーズンのCL準決勝のバイエルン戦、メッシは消えていました。後者に関しては、メッシのコンディションが悪かったことも否めませんが、メッシは勝ち試合と負け試合で、活躍・存在感の差が大きいと思っています。

私が採ったサンプルがあまり良くないのかもしれませんが(笑)。

ただ、2010年W杯のドイツ戦はものすごくガッカリしました。

「メッシ、いないじゃん…」

って。

勝利に貢献する活躍をするのは必須でしょうけど、チームが負ける試合でも、どれだけ奮闘するか、どれだけチームを鼓舞するかという側面も考慮に入れるべきではないかと思うのです。チームスポーツなので。

まとめ

やっぱり今の私の中では、「メッシ<マラドーナ」は譲れません。

私が少年時代にずっと見ていたのがマラドーナだったことからくる独断と偏見もありますが、やっぱりメッシには「アルゼンチンのメッシ」として天下を獲ってもらわないと、マラドーナと同じ土俵には乗せたくないなという思いがあります。

その意味で今回のW杯は、アルゼンチンに大注目しています。

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ダイ

ダイ

1975年1月生まれ。スポーツを見るのもやるのも学ぶのも大好きな41歳。サッカーではGKからFWまで全ポジションに対応(もちろんアマチュアレベル(笑))。ボクシングではディフェンス重視のアウトボクサー。フルマラソンはサブ4。東京マラソンに10年連続ハズレ中…BlackBerryとOAKLEYサングラスを愛用。 公認会計士 税理士

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